2024/05/18(Sat)21:26

『信長のシェフ』最終巻読みました。

ああ、終わってしまった~。まさに王道の「大団円」と言い切れる、清々しい結末。ここまで描いてきたなら、どこまでも突き抜けてやるとばかりに、やり切ったハピエン。37巻並走してきて本当によかった。

戦国時代モノ、そして信長と未来人が絡むタイムスリップものは色々ある中でも、この作品は、どこまでも料理バカで学者肌な主人公ケンのキャラクターに全てが集約されることで、おなじみ戦国エピソードのアレンジも、一見チートな展開もスイスイ読ませていく、その一貫性が最後まで見事だったなあ。何でも料理で解決しちゃう強引さも、料理=文化外交としての切り口が見ごたえあって、最終的には「まあ…ケンと今作信長ですし……」で納得させられちゃう、戦国+グルメ+SF三題噺のバランス。

あとこれは個人的な好みの話だし、あくまでもこの作品に限っての話ですけど、最近の戦国時代モノかつ青年誌掲載としては、殺戮や濡れ場の描写のどぎつさが相対的に(特に中盤以降)抑えられていたなあと。
もちろん戦国時代の”リアル”を克明に描く作品も大いにありだと思いますが、食をテーマにし、つくる人食べる人の喜びが中心に来る物語だったので、この作風が非常に合っていて読みやすかった。

長期連載の間に、だんだんエンタメ界での秀吉描写もブラック寄り()が多くなってくる中、こちらの秀吉さんは昔懐かしの「明るく機転が利き親しみやすい後の太閤はん」な秀吉が見られたので、そこのところも嬉しかったのです。
あと、この作品の忠義者・光秀と本能寺の変解釈がすばらしく好みだったので、最終巻の優しい結末が本当に救われた。この作品の信長は、先見性があり過ぎて誰にも理解してもらえない(だから未来人のケンを使いこなせる)男でしたが、そんな主にどこまでも忠義を尽くそうとした今作光秀の思いに、最期まで寄り添うラストだった。

何より、今作信忠さまが幸せになってくれたので、私はもう何も言うことはない……(涙) まさかの思い切った歴史分岐IFラストも、とにかく信忠さまのために良かったという、それだけで満足です。


ところで、公式ページで公開されている てえてえなおまけマンガ、これなぜ最終巻に収録してくださらなかったんです……!? 
いつ消えるか分からなくてハラハラするので、あと単行本1冊分ぐらいスピンオフ描いてください、お願いします。
 

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