丘ちゃんと大作のことなど
2024/03/18(Mon)23:41

1BitPencilを導入してみた楽描き。描き心地楽しい~~。

イラスト3.png

母さんあの子の月代どうしたでせうね?
ドラマへゆくみちで谷底に落としたあの月代ですよ

 

…いつの間にかドラマHPで登場人物の説明が更新されていたんですが、大作が「新人らしからぬ大仕事を次々と任され」る「人を大きく包み込むような存在感を持つ」子になっていて、ちょっと宇宙猫になっている。

いや、そもそも原作からして大作くん、間者のくせに入隊試験からあんな派手に腕を見せつけていいのか(よくない)という迂闊さはあるものの、その後は、芹沢一派にいっとき近づいた形跡はあっても、前川宅斬り込みは芹沢が丘ちゃんを誘うよう仕向けてるっぽい=自分は目立つ手柄を立てないよう絶妙に立ち回ってるし、むしろ腕が立つくせに入隊後は丘ちゃん絡みでしか積極性を発揮しないのが、大作らしさじゃないのかな、ち、違うのかな…。

前の記事でも書きましたように、入隊直後から丘ちゃんの親友になり、だいたい丘ちゃんのせいで巻き込まれてる斬り合いでも当然の顔で助太刀してる大作の行動は、少年マンガの友情フォーマットとして読者側もつい自然に受け入れ読めてしまいますけど、よくよく考えれば説明もなく始まっているこの献身(しかも間者業と並行して)は一体何かという話ですし、だからこそ、ラストあの結末まで来た時、新選組という組織の中でも常に一歩引いていた大作が積極的に何か動いてやり剣を振るっていたのは、いつだって丘十郎ただ一人のためだけだった事実、丘十郎の失敗と後悔も含めた生き様こそが大作という人格の輪郭を読者の前に描いていた事実が浮かび上がり、愕然とするわけで。
 

「人を大きく包み込むような存在感」…というのがどの範囲まで射程に入っているのか分かりませんが、大仕事を任されるポジション、そして宣伝の扱いが大きいオリジナルキャラ…とくると、丘ちゃん一人に「ぼくは きみの力になるぞっ」というより、複数人に満遍なく笑顔と頼もしさを向ける人物像になりそうな予感、そして中の人たちの身長差や事前宣伝の雰囲気、丘十郎のキャラ説明を見ても、丘ちゃんが大作に憧れ教え導かれる関係(だからこそ正体発覚と斬らねばならぬ結末が地獄になる設計)になりそうな予感があるのは、気のせいでしょうか。えーと、そういうポジション、あえて言えば原作の沖田さんというか。
となるとラストの果たし合いのとき、二人の間に照らし出される影も、きっと原作と同じものではないはずで。

……考えてもしようがないので、4月をおとなしく待ちます。

 

そういえば原作の丘ちゃんは、近藤局長に訪ねてこいと言われればすぐ試験を受けにいきますし、知り合ったばかりの大作にも、友人なら仇討ちの加勢をしてくれて当然だという態度で泣いて責め、敵討ちの虚しさを知れば、かつて失礼な態度をとった坂本先生のもとへちゃんと謝り教えを請いに行ける。
人の好意や親切を受け取るのに躊躇いがないというか、与えられることを疑わない素直さこそが丘十郎の特質なんですよね。

60年代主人公らしい造形といえばそうなんですが、この素直な側面がさりげなく強調されている少年だからこそ、出会ったときから大作が(少なくとも外見的には)一方的に与える構図でありながら、読者も丘十郎も一緒になってその歪さに気づかず、単に大作の友情だと疑いもせず受け取り続けたまま、あのラストまでなだれ込めるんだろうなあ。
大作の諦観めいた人物像は、丘ちゃんを死と再生の先へ送り出すための造形かもしれませんが、丘ちゃんの少年らしい真っすぐな我が儘と素直さもまた、掴みどころのない大作の人格に芯を通し成立させるための造形になっていて。
やはりこの二人そろって、よくできたバランスだなあと思うのです。

………脚色で、このバランスがどうなるのか、果たして。

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