毎回毎回面白くて、今回もやっぱり面白かったNHK露伴先生。
冷静に考えればめちゃくちゃシュールな設定と物語だし、一歩間違えればギャグにもなりかねない話なのに、贅沢な絵面のダークファンタジーという後味がしっとり残るのは、ドラマに移し替える脚本の巧みさや役者の身体能力はもちろんとして、やはり演出もすばらしくうまいんだなあとしみじみ。
柘植デザインでいい塩梅に3次元転換されているとはいえ、単体で見ればやはり奇抜なあの服装の露伴先生ほか登場人物たちが、それでも風景からチープに浮かず、場面全体がひとつの世界観として完成されてるのは、ロケ地選定と映し方の勝利なわけで。
特に前半、露伴先生と泉ちゃんが食事を取る一連の場面、窓から差す光とカーテンの揺れ方まで含めて美しい豪華な室内の映し方と、突拍子もない設定なのに役者の身体から浮かせない治癒描写と、画のコントロールが完璧でため息出ちゃった。
過去の回でもあった斜め切り取り構図の使い方が、今回も、ここぞというところで効いてくる渡辺D演出、大好き。
隅々までリッチな映像をお出ししつつ、やってることは実は、主人公が大人げない好奇心だけで死ギリギリの場へ突っ込んでいく捨て身のシュール行動であるギャップ。
これを、チープな所謂”マンガ実写化”にせず大真面目に成立させるには…と考えると、やはり針の穴に糸通すようなバランス感覚が必要なはずで。
今年初めに こばさんとお会いしたとき盛り上がった「黒澤映画の意外とベタなギャグは、秒単位でも演技演出がズレたら成立しない(だからこそ偉大)」話とも共通するなあ…と、ぼんやり思い出すなど。

