そうなんだよな… たとえ主役二人が名前だけ原作から借りた別人になっていようと、知らない子ですねなオリジナル美形キャラが生えてこようと、まあ百歩千歩一万歩譲って、「青春群像劇」にしてネクストブレイク俳優さんたちを時代劇に多数起用するためのアレンジなのだろうと、思っていました。思っていましたけど。
それにしたって近藤局長や土方副長まで、こう、丘ちゃんや大作と並んで青春してそうな配役&ビジュアルになるとは思わなかったですよ……!!!!
このメインビジュアルのコンセプト、明らかに局長や副長や沖田先輩も、主役二人と同じ青春の地平に放り込んでるじゃないですか……!???
せめて局長副長周辺は、丘ちゃん大作(&オリキャラの子)と年齢貫禄ビジュアルの差別化を図って、原作どおりの大人←→少年の構図を(ドラマ上の必要からも)つくってくれるのではと淡い期待を持ってた、持ってたんですよ……。
これ今後、芹沢局長や坂本さんはどうなるんだろうな。
そしてキャストページの人物紹介を読んだら、ますます混乱が深まっている。
えーと、だって半世紀以上前に描かれた手塚先生の『新選組』を、架空の人物である主役二人の物語はまた別にして、今「新選組モノ」として読む価値が何かといったら、組!以降の若者群像幕末史劇や、しばりょがほぼ規定した一般スタンダード新選組イメージ、それらが成立する以前に描かれた「新選組モノ」であることに、今あえての目新しさがあるんじゃないんですか。
それこそ、作品の根幹を成す手塚先生の作家性の現れじゃないんですか。
物静かで温和かつ力強い理想そのものの武士として描かれるからこそ、父を亡くし武士の生き方=敵討ちにこだわる丘十郎少年にとっては純粋な敬愛の対象となる近藤局長。
幕末の殺伐とした気風と武士の残酷な面を体現し、丘十郎に突きつける、サドっ気のある切れ者まつ毛として描かれる土方副長。
美形じゃないし儚くもない、ただ不敵に笑って剣を振るうバンカラ風味の沖田。
この原作に描かれた彼らに長年愛着ある身からすると、たとえ映像化でビジュアルが変わるまでは分かるとしても、「実は小心者で用心深く、目的のためには手段を選ばない」近藤局長を、「真面目」で「無口だが、内に熱いものを秘めた」土方副長を、「徐々に通常の精神状態ではなくなっていく」沖田さんを、【手塚治虫の『新選組』原作】公式二次メディア化作品として見たいかと言われたら。えーーーと。
盛大に解釈違いすぎるし、ツイッターで見る二次創作だったら、キャラ改変が受け付けなくて申し訳ないけどアカごとそっとミュートしてます、ははは。もう笑うしかない。笑えない。
ここまで大幅キャラ改変してまで、手塚先生の原作を使う意味って何だろう。
たとえ、もしも、万が一、いざ放送が始まれば原作の概念が伝わるキャラ描写になっていたとしても、現時点でここまで原作ファンを困惑させる事前広報って何なんでしょう。
つまり、ドラマのターゲットとして原作手塚ファンは優先順位が最も低い位置につけられていることを情報更新のたび思い知らされて、ひたすら虚しい。
新キャストさんのコメントを読んでも、新しい新選組モノ、新しい時代劇をつくろうと皆さん意欲に燃えてらっしゃるのはよく分かるし、それぞれ経験も積んでらっしゃる皆さん、ドラマ中の役としてすばらしい演技ができるのだろうと思う。しかし、それでも、今回発表された4人のコメントをもし事前情報なしで読んだとして、これが「手塚先生のマンガを原作にした時代劇」だと分かる人が果たしているでしょうか。
これほんと、どこまでも、どこまでも、手塚先生原作でなくオリジナルでさえあれば、ああ新しい時代劇枠が始まるんだな、有望若手の皆さんも所作と殺陣を学べるいい機会だな、そのうち大河にも来てね~と気軽に楽しめた案件。
そう、手塚先生原作をうたってさえいなければ!!!
新しい新選組モノ、新しい時代劇、大いに結構。
大河好き、ゆるい時代劇ファンとしても楽しみにしています。
だから、頼むから、各方面それぞれの幸せのため、今からでも遅くないから、手塚先生の原作という看板は外してオリジナルとしてやってもらえませんか。
日曜夜のヤケ焼酎をお大事にと気遣っていただいた(ありがとうございます)ので、今日はシラフでこわごわ昼休みにサイト更新を覗きました。結局こうして暴れていますが。
多分、今夜も仕事終わったら呑みます。はーーーーー。
あと、このポスタービジュアルを見たとき、何か既視感があるなーーとモヤモヤしていたのが、思い出した。2015年大河『花燃ゆ』のポスタービジュアルとキャッチコピー「幕末男子の育て方。」が発表されたときに感じたものと同じなんですよ。同じセンスというか、制作側の狙いとして通底するものを感じる。
こんなことで10年前の記憶を引きずり出すとは思いませんでしたよ…
大河視聴者には通じるちょっと怖いこの予感を、ここに吐き出しておきます。

