いっせーBJの柘植デザインにしみじみし、『新選組』の消えた月代の行方に思いを馳せていたら、まさかの鋭角方向からとんでもない刺客が飛んできました。どどどどうした2024年。まだ3月ですよ。
iPhone 15 Proで撮影 | ミッドナイト | Apple
いやもう、不意打ちだったのも含めてすっっっばらしく満足度高かった。
良実写化でした。やんややんや。
また、メイキングで三池監督が手塚先生への率直な尊敬を語られてるのが、意外でびっくり。
寡聞にして今まで手塚周辺で三池監督のお名前は見かけたことなかった気が。こちらの記事にある初の助監督現場が加山版BJだったという話も、なかなかの情報量。
実際に本編でも構図の取り方やエリカのギミック作り込みにマンガ原作へのリスペクトが強く出ていて嬉しくなっちゃいましたが、でも、この実写化にここまで満足できたのは、やはりそれだけじゃないんだろうなあ。(そもそも、どんな媒体であれメディア化二次作品の出来不出来、好き嫌いを「愛」や「リスペクト」といった確かに必要だけども曖昧で不定形のもの“のみ”に帰しても、余り意味がないと思っているので)
これ、そもそも大前提として、企画趣旨と原作選定のマッチングがきっちり噛み合っているんでしょうね。
映画1本をスマホのみで撮る機動性が生きるカーアクション、iPhoneの感度をアピールできる夜の撮影、20分弱の尺と最低限の登場人物でストーリーをサクッと盛り上げ完結できる読み切り連載型フォーマット……で『ミッドナイト』を選ぶのがピンポイントで大正解だし、原作のどの設定、どの構図を拾えば短編映画として映えるのか、計算とまとめ方がすごく巧い。
この枠で、この企画で、この俳優でこの脚色でこのストーリーで、わざわざこの原作を選ぶ意義が一体どこにあった……?と戸惑う隙間がなく楽しめるのは、やはり好きな作品がメディア化されたとき、せめて原作ファンとして最低限でも味わいたいラインなのだと、改めて。
というか三池監督、メイキングでは手塚先生を「マンガというものを文学にまで引き上げ…」など真面目なことを語りつつも、仕上げた作品は『ミッドナイト』原作の人情オカルトSFトンデモごった煮を突っ走るあの80年代手塚少年マンガ独特の味をしっかり再現しているのが、嬉しくなってしまう。そうですよ、手塚マンガのこういうところを全面に出した実写化も見たいんですよ。
小澤征悦さん演じる殺し屋も、オリジナルキャラのはずなのに、あの説明なき無機物への異常な愛情っぷりといい、潔いやられ方といい、いかにも手塚マンガに出ていそうなトンチキ悪役だったなあ。そういえば小澤さん、ほぼほぼオリキャラに近かった岡田将生版ヤング・ブラックジャックの(仮)キリコに続き、手塚実写化の悪役にご縁がある。
いやあ、まさかの方面から意外な供給があって満たされました。
これが良い先触れとなって、次に控えてるあれやあれも、どうか蓋を開けたら楽しめるものになっていたらいいなと祈る。

