NHKBSの手塚アニメベスト10、予想以上に充実していて面白かった~。
いち推しの『メトロポリス』が、惜しくも11位。にもかかわらず、ちゃんとしっかり映像出してくれたのは、もしかして司会の鶴屋さん…もとい風間さんが熱く語っていたおかげですかね…。だとしたらありがとう鶴屋さん、ありがとう片桐弁護士。Dオタとしての風間さんしか寡聞にして知らなかったので、手塚作品をあそこまで熱く語ってくれる人だとは意外、かつ嬉しい驚きでした。アトムの出自からの話題で、手塚作品の根源的な魅力=切なさや悲しさ、と語られていたのはとても解釈一致。
ジャン大とのコラボでお名前を知った家入さんも、あんなにガチの手塚ファンだとは知らなかったなあ。もともとの手塚ファンだった人が長じて何かのプロになり、その分野で手塚作品に関わる、という「夢を叶えたオタク」の話はいつどれだけ聞いてもいい滋養を摂取できるので、このあたりもとても楽しかったのです。また何かの機会に手塚作品(今度はマンガのほうを)ぜひ語ってほしい。
ランク外だった実験アニメにかなり時間を割いてくれたのも、もはやロストテクノロジーな『ジャングル大帝』OPの凄さを解説付きでじっくり見せてくれたのも、手塚アニメの紹介番組としていい構成だった。総じて、バラエティ枠では久々に満足な手塚特番を見られたぞ…!という気持ち。
手塚先生が観劇されて楽屋を訪れた際に、平田満さんが頂いたというサインの火の鳥絵。こういうのがお出しされると、ああ、こうやってどなたかが描いていただいて世間へも公にしていない手塚先生の隠れた絵が、世の中には何百とあるんだろうなあ…と、ちょっと堪らない気持ちになってしまう。
2008年の芸術新潮で、故・森室長が公開されていた私蔵のサイン色紙に描かれた佐々木を思い出すたび、佐々木の新規絵がまだこの世にある可能性を考えずにはいられないんですよ…。
いや、まあ佐々木に限らず、この手のサイン色紙はどのキャラでも見たいので、今後もぜひ機会あれば、いろいろな方に手塚話のインタビューをして自慢話をご披露いただきたい。
ところで、番組のため事前に取っていたアンケートでは、アニメに限らず手塚作品というくくりで思いを語ってくださいという項目があったんですが、これは今後何かに生かされることはあるんでしょうか。NHK(放送局)と手塚公式(現行原作管理者)に届け…!と、ここぞとばかりにいちファンの要望希望願望熱望を詰め込んだので、せっかくのアンケート、何かの参考にしてくれるといいなあ。
手塚マンガは、単にストーリーやキャラクターの魅力だけでなく、コマ枠を駆使した遊びやメタギャグなど、マンガだからこそできる技法を”マンガの神様”が生涯かけて突き詰めていったゆえの面白さも大きく、だからこそアニメにしたとき、その魅力をそのままそっくり移植するのが難しいと思える側面は、正直ある。
だとしても、既にファンになっている特定の層以外、特に子供世代が、手塚作品という存在そのものを認識するには、やはりアニメという形、しかも偶然目にすることも多いテレビでの放送はとても有効だと思うので、今後も広い間口として機能していってほしいのです。
手塚先生生誕100周年の2028年を3年後に控え、そう強く願う。

