漫画家のちばてつやさん「悪書から文化の一つに」 文化勲章親授式
ちばてつや先生が受けられるマンガ家として初めての受賞がめでたいのは当然として、ここで手塚先生の名前をちゃんと出してくださるところに、やはり、ちばてつや先生の人格を感じるのです。
この言葉を手塚先生の生誕96周年の日に読める感慨よ。
感慨といえば、手塚ファンにとって今上陛下といえば、1965年のカッパコミクス版『鉄腕アトム』単行本掲載のアトムニュースで、近代化学館視察の際に「宮さまの大好きな『鉄腕アトム』の人形劇をごらんになりました」「劇につかったアトム、ウランちゃんなどの人形を、おみやげにいただき、大はしゃぎ」という、にっこり笑顔な幼少期の写真が掲載されている大先輩でもあらせられるので、その陛下から勲章を手渡されるちば先生、そのちば先生が手塚先生の名前を口にされるというリレー図は、昭和平成の総決算として、感慨どころではないものも湧き上がってくる。
そんな思いが渦巻く「文化の日」。
今夜は、ちば先生が手塚先生との思い出を描かれた『ひねもすのたり日記』を読んで寝ようかな。
この本掲載のエピソード、悪書追放運動かまびすしい当時の手塚先生の姿を描いている点でも貴重な証言なのですけど、何よりも私がズンと胸に来るのは、良くも悪くも空気を読まずいつでもどこでも目の前の相手と「マンガとは」を青臭く議論したがろうとする(それは『ある日の手塚治虫』等で別の方も証言されている)永遠のマンガ小僧な手塚先生なんですよね……
ちば先生の秀逸な情景描写で描かれる、手塚先生の下駄の音がカランコロンとしみじみ沁みる。

