おむすびと海ダイ
2024/11/04(Mon)23:05

『おむすび』第5週。
被災して空腹と寒さの中でやっと食べられた”おむすび”が美味しかったという分かりやすい感動エピソードで描くでなく、まだ状況が飲み込めないほど幼い6歳の子供が言い放つ(そして恐らく成長するほどにその幼さを自ら後悔する)リアルさと、だからこそ昨日まで当たり前にあった日常との断絶、そこにおむすびを持ってくるまでの道のりの光景さえも、たった一言で理解させられてしまう台詞、「これ冷たい」。

『海に眠るダイヤモンド』第2回。
台風が去り、ようやく水運搬船がやって来た朝に飲めたその水は、さぞ美味しかったのだろうと聞く2018年の玲央に、いづみがきっぱり言い切る「ちっとも」「この浄水器の水のほうが何倍も美味しいわよ」。

全くの偶然ですけれど、どちらも過去実際にあったことを安易な物語化も消費もせず描こうとする真摯な姿勢が現時点で伝わってくる作品の、その慎重で繊細なコントロールが、どちらも飲食の表現で端的に現れていたのは面白い合致でした。

水と食べ物。人が生きていくのに必須だからこそ、美味しいか否かにも人は正直だし、どちらだろうと人は摂取していく。そこにある原初的な欲求と身体性をどう描くかに、作品の人間観も立ち現れていくんだろうなあと、当然のことを改めて考えた先週のドラマ2本。

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