海に眠るダイヤモンド
2024/10/20(Sun)23:17

楽しみにしてた『海に眠るダイヤモンド』第1話放送。

さすがの新井P✕塚原監督✕野木脚本三羽烏。情報量が…情報量が多い…!それでいてこの手際の良さ…!!と思っている間に初回1時間があっという間に終わってしまった。

高度経済成長期という時代背景といい、一見ホームドラマ的な人物配置といい、ラストでリナの歌に島の皆が盆踊りを合わせる温かなカタルシスといい、いかにも日曜劇場らしいカラーの安心安定感があったんですけど、ところどころに決してそれだけでは済まさないだろう予感も垣間見える初回だったなあ。
女性主人公お仕事ドラマ&クライムサスペンスのセオリーからあの『アンナチュラル』を、刑事ドラマのセオリーからあの『MIU404』を生み出してきたチームが、今回、日曜劇場という「枠」をきっちり使い倒す気満々なのがすごく伝わってきた。定番の良さも意義も理解した上で、そこにまた惰性じゃない、あえて外したものを入れてくるチームが、今回はどんな物語を見せてくれるんだろうと期待高まる第1回。
とりあえず「ノンストップエンターテイメント」の惹句で『MIU404』をお出ししてきたチームが、番宣で押し出されてる「貧しかったが心は豊かだった時代云々」的な面だけで終わる昭和の青春ドラマを作るとは思えない、と心の準備は既にできてます。


初対面のホストにいきなり「結婚しない?」と持ちかける謎の老婦人。半ば流される形で端島まで着いていく気怠げなホスト。
一見突飛な導入部の展開をスムーズに見られるのは、妙に引っ張らずさくさく進めていくテンポ良い演出だからだし、また、ここで印象づけられる歌舞伎町のまっすぐ空撮の画が、その後同じ上空からの構図で端島の高密度なコンクリート建築群でも繰り返され、反復するイメージが重なる。心をすり減らすホストと、体をすり減らす炭鉱夫。ホスト代を払えず「飛ぶ」女と、居場所を得ようとするたび男に壊され根無し草になる女。島の外と内側にある差別と階級。島ごと家族で顔見知りな一体感に見え隠れする、そうでなければ命に関わる炭鉱仕事の厳しい現実。暖かさの裏にある息苦しさ。決して美化や追憶の「ダイヤモンド」だけでない過去の不穏な質感もざわりと立ち上げつつ、時間を行き来する物語の見せ方が巧くて、塚原演出…!と唸りたくなりました。

いづみは果たして過去編の誰なのか、謎の提示が初回終わってよく出来てるなあと思うと同時に、案外これは中盤あたりであっさり解けるのでは、とも。このチームなら、ストーリーの眼目はそれではないかもしれないし。

あと何となくですが、酒向さんの秘書さん、『アンナチュラル』における木林さんポジションの匂いがしませんかね。怪しげで妙に目立つけど、本当にただの裏表なくお役立ちな超有能便利屋さん。そんなただの有能忠実酒向さんが見られるかしらとちょっとワクワクしています。
 

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