2024/04/25(Thu)23:19

とりあえず、用意していた無濾過35度焼酎をロックで流し込みました。
(※訳:録画していた『君とゆきて咲く』第1話の視聴を完了しました)

何かもう、ここまで原作とかけ離れていれば逆に、全く知らない世界のオリジナル作品として見られるかと思ったんですが、音として「大作」「丘ちゃん」「南無之介」と耳に入ってくると、やはり原作の彼らの名前が使われている事実から目を背けられない。暴力的なまでに。

原作大作の鮮烈デビューを飾る台詞「刀を抜いたあと すごく甘いものがほしくなるんだよ」がキャンセルされた上に、汁粉は沖田さんが、団子は近藤局長がドラマの流れで先に食べてしまっていて、しかも沖田さんが冒頭から汁粉に感激してる時点で、大作のアイデンティティ=猛烈な甘いもの好き(萩尾先生曰く殺人のストレスからくるもの)が第1話から埋没後退してしまっていることに、我ながらびっくりするぐらいダメージを受けていまして、自分の中で大作くんの人物造形を捉えるのに汁粉も内包する甘味好きはやはり重要な構成要素だったのだな…と、その重さを改めて思ったのでした。

いや、丘ちゃんの実家が甘味屋になったり、オリキャラの名前が「渋皮」(栗の渋皮煮繋がり?)だったり、ドラマ全体的に甘味ネタ推しになるのは予想してましたけど、史実にいない架空人物である主役2人のキャラクター性こそが今回この原作をドラマ化する眼目に(たとえ建前上でも)なるはずなので、それさえぼやけた人物像にするんだったら、ほんと若手大集合新選組ドラマを作るのにオリジナルでなくわざわざこの原作を選んだのは一体なぜなんです??と、ちょっとストーリーラインの組み方としても心配で問いたくなってくる。今更ながら。 

主役2人の人物像といえば。
第1話で出た入隊試験。もともと原作のここでは、うるさいおじさんを挑発し指を冷酷に斬り落としツバを吐き捨てる大作に、丘ちゃんのほうが困惑している一方、大作のほうは自らにこやかに丘ちゃんへ菓子を勧め、君の腕前を見せてもらうよとなぜか初対面から興味を示している。(この「なぜか」を明かさないままスッと読ませるのが、また手塚先生の巧さなわけで)
それがドラマだと、弱小と見られてる丘十郎くんが、格上の大作にきゃんきゃん噛みつき必死で食らいついた末に「やっと俺を見た」「丘ちゃんと呼ぶな!」なので、出会いの形も矢印の方向すら変わっているんですよね。

まあ、そもそも原作のブロマンス未満友情関係を、事前番宣からBLカラーの強い演出にしていた上に、「だいきゅう」と左右指定したタグを公式が推奨し、原作では主題の因果を丘十郎に突きつける重要な役回りである女性を男性に変えてまでBoyたちのLove物語に改ざんしたいらしい時点で、いろいろ無理がありすぎるから、このあたり気にしても仕方ないんですけど。
何かもう、ここまで変えてまでこの2人が「大作」「丘十郎」と名乗る意味は…と、深淵を覗きたくなってくる。虚空だ。何も見えない。

 

俳優さんたちが殺陣などすごい頑張ってるし流石に巧いのは本当によく分かるし、映し方もキレがある。なので、中の人推しの方たちはどうかこのまま楽しく見続けていてください、と思うのは偽りなく本心です。ドラマそのものとしても面白くなるかまだ未知数だし。原作にいない史実キャラは割とオーソドックスだし。

でも、とりあえず原作ファン側の一人としては、本放送までにあった広報の数々とそして第1話だけでも受けたダメージの数々に、ひたすら悲しみと怒りを覚えているということだけは、きちんと言葉にしておきます。
これは、私が読んできた手塚先生の『新選組』ではないし、私が愛する手塚マンガ世界の面影は欠片もないし、静かながらも確かに何十年も脈々と愛され続けてきたこの作品がスポットライトを浴びるとき、あってほしい形、あるべき形では決してなかった。
ただ、それだけ。

 


 

いま、公式への不信感がマックスになっているので、再来月のロック展にも不安が拭いきれない。
一番あり得そうなこととして、ポスターもしくはグッズに、手塚先生御本人の絵ではなく、公式内別人(名前を出したくない)の絵が使われたらどうしようかと去年からずっと不安なのですが、もしそれになったらちょっと今回のドラマ以上に絶望しそうで自分が怖いです。

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