豊臣兄弟! 第1話
2026/01/04(Sun)22:09

いやーー面白かったーー!と、素直に拍手したくなった第1話。

制作発表会見のときから度々強調されていたとおり、ちゃんと「大型娯楽時代劇」で、ちゃんと「天然でカラッとしている(秀吉)お兄さん」で、ちゃんと「王道のサクセスストーリー」になるだろう幕開けでした。

今のところ、ハイテンションな藤吉郎も、振り回され困惑しつつ家族の情がある中村の実家も、ホイホイお忍びしちゃう行動力が苛烈さと繋がってる信長も、無骨でやや乱暴なヒゲモジャ勝家も、この人物ならこうだろう(もしくは見たい)と誰もが思い浮かべる通俗イメージをここまで過不足なく描いているところが、かえって新鮮であり、唸るところでもあり。

エネルギッシュな出世欲の根源が「皆に好かれたい、見下されたくない」餓えのように願う切ない欲求で、しかしその具現化として、家族そして村の皆に腹いっぱい食わせる、という方法と範囲までしか今はまだ具体的な発想が及ばない藤吉郎。明るくカラリと大言壮語するお調子者と、たとえ恩人であろうと必要なら即断で斬れる非情さ(それはあの時代における優秀さでもある)とをシームレスに行き来できる藤吉郎。
ダークな悪役ではなく、もともとの痛快なサクセスストーリー『太閤記』という原点に戻った秀吉を描きたい、と制作統括が言っていたとおりの、まさに真っ直ぐ王道な(だからこそ最近では新鮮な)藤吉郎でありつつ、”ダークな秀吉”像が積み重なってきてしまった今の時代にもするりと飲み込みやすいよう、すごーく考えられて巧いこと微調整されていましたね。脚本の運びも、映像としてのテンポも。
その中心にちゃんと、藤吉郎兄者を見つめる小一郎が主人公としてすっくと立っている。

そう、ここまで堂々と王道を貫くには、ものすごく難しいことを、でも難しいことしているようには見せない細部の技術が必要なんだよなあ…と当たり前のことを改めて、さらりと夢中で楽しめた1時間を振り返って思うのでした。
ここはやはり、『らんまん』の松川博敬Pと渡邊良雄チーフ演出との組み合わせで期待したとおりの安心安定感というか。

何にしても、尖った個性の作品が生まれて輝くには王道の作品がドンと鎮座してこそ、と願いのような気持ちがあるので、長年語られ愛されてきた戦国物語イメージを巧く再話しつつ、野暮でもなくステレオタイプでもない、真っ直ぐ王道の作品にこのままなれば良いなあと思います。せめて本能寺まで、この勢いのまま突き進んでほしい。

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