2025/11/24(Mon)23:39

ニュースを見て「いやいや まさか 嘘であってくれ」と思ったら、松竹公式からお知らせが出たので、本当に確定してしまった…

歌舞伎沼ドボンが中村屋から始まった身としては、片岡亀蔵さんは早くに名前を覚えて大好きになった役者さんのお一人で。
初心者でも理解できる明快な分かりやすい演技で、見る側を入口へ誘い込んでくださりつつ、なおかつ、その味わい深い佇まいで、古典の人物造形の面白さにまでもスッと滑らかに導いてくれる役者さんでした。

たとえ主人公をとことん虐めるような赤っ面の役でも、その意地悪さが見ていて辛くならないところが、またとても好きで安心できて。
舞台いっぱいに憎らしく満ちる敵役のその”敵”たる部分が、それでも決して虚構を突き抜けてこない絶妙なバランスは、一言で言い切れば品の良さで、この人が出てくれば絶対安心という名脇役の背骨だったんだろうなあ。

自らを「生き意地の汚い男」とうそぶく『阿弖流為』蛮甲の、それでいて愛する熊子には見せる茶目っ気たっぷりな顔の可愛らしさも忘れられない。

今年8月の納涼歌舞伎で見た『野田版 研辰の討たれ』からくり人形がまさかの最後になってしまいましたが、ノーマル版研辰と野田版とで最大の違いとも言えるあの場で、まさに亀蔵さんにしかできない役だったからくり人形に大笑いしたのも、それはそれで観劇記憶の締めくくりにふさわしい、かもしれない。

ああ、それでもやはり寂しい。寂しいんですよ。かんかんのうを踊って戻ってきてくださらないか。

 

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