ウラメシ ソシテ スバラシ。
2026/03/20(Fri)23:36

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「学がない」ゆえ今まで夫が英語で書く知識人向けの本が読めなかった、しかし「学がない」からこそ当時の知識層が打ち捨てる怪談へのチャンネルを保持し続けていたおトキが、市井の人々から怪談を巧みに聞き取り自らの語りで再話するという、「学」の有無を超えた先にある本質的な知性の光を見せる。
ここまで半年間描かれてきた「何も起こらない」日常の延長線上で、トキとヘブンの共有する創作の喜びが、やがて一つの形へ集約されていく15分。あまりにも幸福で美しい金曜回でした。

”誰々の妻”モデル朝ドラでは、例えば今までも『ゲゲゲの女房』や『マッサン』のように、夫が突き進む分野の詳しい知識はなくとも、人生を懸ける姿そのものが相手を人間として信じる十分な根拠にできる主人公の潔さが、創作の一つの定型としてあり。
ヘブンの著書が読めずともヘブンを「カクノヒト」だと力強く肯定できる『ばけばけ』おトキもまた、その系譜に連なる主人公だったと思うんですが、この終盤に来て、単にモデルの史実だからというだけでなく、おトキを錦織さんの意思を受け継ぐ創作バディとしても描いてくれるのが、とても良かったなあ。
異文化のはざまで火花のように閃く理解と喜びを描いてきたドラマの終着点として、まさにスバラシ。

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